日本で家族を養うための所得

2018年10月15日

家族を持つとき、誰しも経済面が気になります。

ここでは「相対的に暮らしていけそうか」という観点で考えてみます。

 

等価可処分所得

同居人数が多ければ一人当たり生活費の負担も逓減するため、世帯の可処分所得の目安として等価可処分所得という用語があります。

 

定義

等価可処分所得・・・世帯の可処分所得を世帯の人数の平方根で割ったもの。

(出典:コトバンク)

 

可処分所得はいわゆる手取り収入なので、仮に世帯年収(額面)が500万円、手取り収入が400万円、3人家族とすると、およその等価可処分所得は以下のように計算できます。

400 ÷ √3 ≒ 230万円(等価可処分所得)

 

中央値と貧困線

厚生労働省の資料を見ると、平成27年(2015年)の等価可処分所得の貧困線は122万円であり、中央値は245万円でした。

貧困線とは「生活に必要な物を購入できる最低限の収入を表す指標(Wikipedia)」です。

つまり等価可処分所得が122万円以下であれば、家族を支えることは難しいということです。

 

等価可処分所得の中央値は、日本で生活する人のうちの半数より下の生活水準か、半数より上の生活水準かの境目となります。

 

貧困線・中央値ともに例外は十分な貯蓄や資産がある方です。

 

家族を養える所得はいくらか

結局いくらあれば家族を支えていけそうでしょうか。

世帯人数は各ご家庭によって変わりますので、世帯の可処分所得と等価可処分所得の人数の関係について、早見表を作成してみました。

 

世帯の可処分所得で横の行を特定し、世帯人数で縦の列を特定してご覧ください。

表の中の等価可処分所得で白色(塗りつぶしなし)は中央値超え、黄色が中央値以下、赤色が貧困線以下です。

 

【例1】可処分所得が300万円、夫婦の2人世帯であれば、行と列が交差する等価可処分所得=212万円(黄色)となります。中央値を少し下回る程度なので日本における「普通」の暮らしぶりです。

貯蓄を増やすために少し生活の工夫が必要かもしれません。

 

【例2】可処分所得が200万円、夫婦+子供1人の3人世帯であれば、行と列が交差する等価可処分所得=115万円(赤色)となります。貧困線以下なので世帯全員(3人)が貧困状態にあるということです。子供の教育費などを考えるとかなり生活が厳しいかもしれません。

 

【例3】厚生労働省の資料では、平成27年(2015年)の「児童のいる世帯」の平均年収(所得)は707万円でした。世帯年収700万だと、可処分所得がおよそ500万円前後になると思いますので、夫婦+子供2人の4人世帯であれば、行と列が交差する等価可処分所得=250万円となります。中央値を少し上回る程度なので日本における「普通」の暮らしぶりです。

 

注意点

ちなみに貧困線に近かったり中央値以下であっても、勤労所得(フロー)の少ない高齢者世帯やセミリタイア世帯等は預貯金や資産(ストック)で暮らすことが多いので、所得が少ないからといって生活が苦しいとは一概には言えません。フローが少なくてもストックが多ければ大丈夫ということです。

 

専業主婦・主夫

目立った資産はない世帯で、専業主婦・主夫になれる所得(フロー)の目安はどのくらいか考えてみました。

 

独身だと額面年収と手取り収入はおおよそ以下の関係になります(かなりアバウトですのでご参考まで)。専業主婦・主夫である場合、扶養控除などで独身よりは手取り増が見込めますが、保険や親戚付き合い等で相殺されるため独身とあまり変わらないと考えています。

平均年収.jpのページを参考に作成。)

 

この年収と手取り関係表に基づいて、前出の等価可処分所得の表を見ます。

所得のある配偶者が病気等で所得が減るリスクを考慮して、中央値をギリギリ超えるところが専業主婦・主夫で生活できるレベルと仮定すると、家族構成の想定は以下のような感じかと思います。

・年収460万円、手取り350万円で夫婦

・年収620万円、手取り450万円で夫婦+子供1人

・年収700万円、手取り500万円で夫婦+子供2人

 

現代で専業主婦/主夫を希望する人は少ないでしょうが、可能といえば可能です。


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まとめ

「他の世帯と比較して、相対的に暮らしていけそうか」という観点の記事は無かったので書いてみました。

都心と地方では生活コストも異なりますので、東京だと難しいこともあります。

所得や家族構成が変わったら表の行と列を見直せばいいので割と楽な考え方です。

当然ですが支出には波がありますので、貯蓄は必須でしょうけど・・・。