Apple デュアルディスプレイ特許取得

Apple社が米国でデュアルディスプレイの特許を取得していることを知りました。

参考記事(外部リンク):アップルがデュアルディスプレイ端末の特許を取得。折り畳み型iPad Proやタッチスクリーン付きMacBookの可能性?

外部リンク先の記事にあるように、物理キーボードをタッチスクリーンに置き換えることが可能かと思います。

外部リンク先の記事で気になる箇所について、コメントを添えます。

 

■まず特許を取得しているのは米国だけです。

米国特許商標庁で調査すると、他国にはまだ出願されていないようです。

外部リンク先の記事では日本で取得しているとは言ってませんのでセーフですが、知財に詳しくない方からすると日本でも権利があるかと誤解するおそれがあります。

製品化が視野に入っていれば各国で権利取得を目指すと思います。

 

■外部リンク先の記事で、以下の記述は正確ではありません。

特許には、使用にあたって着用する偏光サングラスも併記。

特許の「視認性を高め、反射を抑え」る機能については、ユーザーが着用する偏光サングラスによってフォロー。

偏光サングラスは使用にあたって着用する必要などありませんし、本発明の機能ではありません。本記事の下部に詳細を記述しますので、ご興味のある方はどうぞ。

 

■外部リンク先の記事で、以下の記述は正確ではありません。

上下に配置されたディスプレイの間にはヒンジ軸があり、開閉できる折りたたみ型となっています。

独立請求項は3つあり、そのうち2つは「ヒンジあり」で、1つはヒンジありとは言っていない」

「ヒンジありとは言っていない」独立請求項は従属請求項が1つしかなく、ヒンジありの方が重要視されているようです。もっともヒンジなしでこの特許発明を実装しようとすると困難かもしれません。

また、「ヒンジありとは言っていない」独立請求項では、液晶ディスプレイと有機発光ダイオードディスプレイの組み合わせが構成要件です。この組み合わせでiPad系が発売されるでしょうか? 勝手な妄想ですが、製品化されるとするとMacBookが現実的かと思います。

 

理系の方向け

 米国特許出願のDetailed Descriptionの一部を引用します。

The polarization states of the light rays that reach viewer 48 from displays 14A and 14B and the orientation of polarizing sunglasses 102 can affect the visibility of displays 14A and 14B.

(訳:ディスプレイ14Aおよび14Bから視聴者48に到達する光線の偏光状態および偏光サングラス102の向きは、ディスプレイ14Aおよび14Bの視認性に影響を及ぼす可能性がある。)

 

Some of the light emitted from display 14A has the potential to reflect from display 14B.

(訳:ディスプレイ14Aから放射された光の一部は、ディスプレイ14Bから反射する可能性がある。)

 

噛み砕いて言いますと、偏光サングラスを着用しているときでも、デュアルディスプレイのそれぞれがちゃんと見えるように考慮する必要があるということです。また、デュアルディスプレイの一方が発する光は、他方のディスプレイに影響を及ぼす可能性があり、視認性を確保するために反射を考慮する必要があるということです。

 

When this p-polarized light (see, e.g., light ray 106′ of FIG. 5) enters polarizer 100B of display 14B, which has a transverse pass axis (axis 130), the p-polarized light will be absorbed by polarizer 100B.

(訳:このp偏光(例えば、図5の光線106 ‘を参照)が横方向通過軸(軸130)を有するディスプレイ14Bの偏光子100Bに入ると、p偏光は偏光子100Bによって吸収される。)

 

デュアルディスプレイのうち、片方のディスプレイ(メイン側)から放射される光はp偏光となり、もう片方のディスプレイ(キーボード側)の偏光子で吸収するので反射光が抑えられるというわけですね。

その他の実施例では円偏光との組み合わせ、すなわちキーボード側のディスプレイから放射される光を円偏光、両方のディスプレイから放射される光を円偏光とすること等が記載されています。

 

したがって、偏光サングラス自体は本発明の構成要件ではなく、課題の1つであることが分かります。本件特許に関連するApple製品を期待する方は誤解なさらぬようご注意ください。

 

詳細を検索したい方向け

出願番号 :第14/862,012号

米国特許 :第9904502号

発明の名称:Dual Display Equipment With Enhanced Visibility and Suppressed Reflections

 

弁理士

Posted by author